AI時代だからこそ、問われる「国語力」

受験のためだけじゃない!幸せな人生を生きるための言葉の力

いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今日は、少し普遍的なテーマですが、今だからこそ改めて考えておきたい「国語力」の重要性について、お話ししていきたいと思います。

「国語力」と聞くと、「文章を読んで問題を解く力」や「受験科目の一つ」といったイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、私が考える国語力は、もっと広義で、私たちの人生そのものを豊かにする力だと感じています。

結論から申し上げます。AIが発展している今だからこそ、国語力はますます重要になっているのです。

これから、その理由について詳しくお話ししていきましょう。


1. AI時代にこそ不可欠な「批判的読解力」

AIは、私たちの代わりに膨大な情報を瞬時に処理し、要約してくれます。しかし、AIが生成した情報をそのまま鵜呑みにしてはいけません。なぜなら、AIはまだ、生成された情報の「真偽」や「偏り」を判断する能力には限界があるからです。

AIは、インターネット上のデータを基に学習しています。もし偏った情報やフェイクニュースを学習してしまえば、AIが生成する情報も偏ったものになってしまいます。

現代社会は、AIのアルゴリズムによって、私たちが興味のある情報ばかりが流れ込んでくる傾向があります。SNSを見ていると、「世の中はこうなっているんだ」と勘違いしがちですが、それはあくまでもAIが作り出した小さな世界に過ぎません。

私たちは、AIが作った情報を批判的に読み解き、「本当にそうなのかな?」「なぜAIはこういう結論を出したのだろう?」と、常に疑う姿勢を持つ必要があります。そして、一つの情報だけでなく、複数の情報源から多角的に物事を捉える力が不可欠です。

この「情報を批判的に読み解き、多角的に考える力」こそ、国語力、ひいては「言葉の力」の根幹をなすものなのです。


2. 言葉にならない感情を理解し、表現する力

AIは、論理的な思考は得意ですが、言葉にならない人間の「感情」を理解することはできません。 私たちは、言葉を通して感情を表現します。しかし、自分の心の中にある複雑な感情を、すべて言葉で表現できるわけではありません。

だからこそ、私たちは「言葉の限界」を知る必要があります。 音楽や絵画といった芸術が、言葉では伝えきれない感情を表現する手段として存在するように、言葉がすべてではないという理解を持つことで、私たちはより豊かな感性を育むことができます。

特に、小さなお子さんをお持ちのご家庭では、お子さんの「言葉にならない思い」を汲み取ってあげることが非常に重要です。

  • 子どもが泣いているとき
    • ただ「大丈夫だよ」と声をかけるだけでなく、その泣き声の背景にある感情を想像し、「〇〇だったから、悲しかったんだね」と、言葉で返してあげましょう。

このように、子どもが言葉にできない感情を親が代弁してあげることで、子どもは「この感情は、こういう言葉で表現すればいいんだ」と学び、少しずつ言葉の力を身につけていきます。

3. 幸せな人生を生きるための自己表現力

人間が幸せに生きるためには、自分を表現する力が必要です。 「自分はどういう感情を抱いているのか?」「自分は何をしたいのか?」 といった、自分自身の内面を理解し、それを言葉で表現する力は、幸せな人生を歩むための重要なスキルです。

言葉にすることができなければ、自分の感情をコントロールすることも、他者に理解を求めることもできません。自分の感情や思考を客観的に見つめ直し、それを言葉にすることで、私たちはより深く自分自身を理解し、自己肯定感を高めることができます。

4. すべての学習の土台となる国語力

「国語力」は、国語の科目だけに必要な力ではありません。 算数、理科、社会、そして英語といった、すべての学習の土台となります。

最近の入試問題は、単なる知識の暗記を問うものではなく、思考力を問うものが増えています。

  • 「このグラフから、どのようなことが読み取れますか?」
  • 「なぜ、この現象が起きたと考えられますか?」

といった問題に対し、私たちは自分の考えを論理的に整理し、言葉で記述する必要があります。 どんなに素晴らしいアイデアを持っていても、それを言葉で表現できなければ、誰にも伝わりません。

また、前回のブログでもお話ししましたが、英語学習においても国語力は不可欠です。 日本語で表現できることの幅が広ければ広いほど、それを英語で表現しようとする探究心が生まれ、英語力も飛躍的に伸びます。日本語の語彙力や表現力が未熟な人は、英語でもそれ以上の表現をすることは難しいのです。

まとめ:学び続ける人生を支える「国語力」

これからの時代は、AIが私たちの労働を代替することで、より多くの「余暇」が生まれると言われています。しかし、その余暇をどう使うかによって、人生の質は大きく変わってきます。

ただ単に娯楽を楽しむだけでなく、学びを続け、人間力を高めていくこと。 「学び続けること自体が楽しい」と思えるような人生を歩むことが、これからの時代、より重要になってくるのではないでしょうか。

そして、その「学び続ける力」の土台となるのが、国語力なのです。

国語力は、決して受験のためだけのものではありません。 それは、AI時代を生き抜き、自分を表現し、他者と深く繋がり、そして学び続ける人生を送るための、最高のツールなのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました