【おうちでできる言葉の力UP】子どもの言葉の力を育む、カルタと百人一首の秘めたる力

いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。

今日は、ご家庭で楽しみながら、お子さんの「言葉の力」を育むための素晴らしい言語活動、「カルタ」「百人一首」についてお話ししたいと思います。

これらは単なる遊びではありません。日本の伝統文化に触れながら、言葉のリズムや表現、そして知的好奇心を刺激する、非常に奥深い学習ツールなのです。


第1章:百人一首に隠された、知的好奇心と文化の歴史

百人一首と聞くと、「難しい…」 「古文なんてわからない…」と感じるかもしれません。しかし、百人一首の真の面白さは、その言葉の奥深さや、背景にある歴史にあります。

百人一首の歴史的背景

百人一首は、鎌倉時代初期に歌人・藤原定家が選定したとされる、百人の優れた歌人による和歌を一人一首ずつ集めた私撰和歌集です。当時の宮廷文化や人々の心情、季節の移ろいを表した美しい歌が多く、その背景には、恋の歌や、出世を願う歌、旅の寂しさを詠んだ歌など、当時の人々の生活や感情が色濃く反映されています。百人一首が作られた時代は、武士が台頭し、旧来の貴族文化が衰退しつつある過渡期でした。藤原定家は、和歌という形で日本の文化や精神性を後世に残そうとしたのかもしれません。百人一首を学ぶことは、当時の人々の感情や価値観に触れることであり、日本文化への理解を深める貴重な機会となります。

子どもを夢中にさせる「五色百人一首」

百首すべてを一度に覚えるのは、大人でも大変なことです。そこで、百首を五つの色(青、桃、黄、緑、橙)に分け、一色あたり二十首ずつにまとめた五色百人一首という教材ももありますのでぜひご活用ください。

二十首という数は、子どもたちにとって「これなら頑張れる!」と思える絶妙な分量です。実際に、子どもたちは驚くほど短期間で二十首を覚えてしまいます。読み手の最初の二〜三文字だけで札を取る「決まり字」を覚え、勝つために自主的に練習する子も少なくありません。

百人一首は、集中力、記憶力、そして何より探究心を育む、素晴らしいツールなのです。


第2章:カルタと百人一首の教育的価値

カルタや百人一首は、ただ言葉を覚えるだけでなく、子どもの多様な能力を育みます。

1. 言葉のリズム感を体感する

短歌は「五・七・五・七・七」、俳句は「五・七・五」というリズムでできています。この独特なリズムは、日本語の持つ美しい音の響きを、子どもたちが体で感じ取ることを可能にします。

特に、読み手になって声に出して読むことは、音読の練習にもなり、「読む力」「聞く力」の両方を同時に鍛えることができます。

2. 伝統文化と出会う喜び

百人一首は、日本の伝統的な詩歌に親しむ、最高の入り口です。いにしえの歌人が詠んだ、自然の美しさや人々の心情に触れることで、子どもたちは豊かな感性を育むことができます。

また、「百人一首大会」のように、大人も一緒に楽しむことで、「この遊びは、おじいちゃんやおばあちゃんの時代から続いているんだ」と、世代を超えた文化の繋がりを感じることができます。

3. 勝ち負けから生まれる成長

カルタや百人一首は、勝敗がはっきりとつく遊びです。「勝つためにはどうすればいいか?」という問いは、子どもたちの探究心をかき立て、自ら考えて行動する力を育みます。

また、ペアを変えながら多くの友人と関わる中で、勝ち負けを経験し、相手を思いやる気持ちや、悔しい気持ちとの向き合い方も学ぶことができます。


第3章:家庭でできる、言葉の力を伸ばすカルタ遊び

百人一首以外にも、カルタは様々なテーマで楽しまれています。市販されているものから、手作りするものまで、その種類は多岐にわたります。

1. 既存のカルタで遊ぶ

  • 防災カルタ:災害時の行動や知識を身につける。
  • 都道府県カルタ:日本の地理や文化に親しむ。
  • 動物カルタ:動物の特徴や生態を楽しく学ぶ。

子どもの興味や関心に合わせてカルタを選ぶことで、遊びを通して学びを深めることができます。

2. 「自分だけのカルタ」を作ろう

最もおすすめしたいのは、ご家庭でオリジナルのカルタを作ることです。

  • 好きなテーマを決める「サッカーカルタ」 「釣りカルタ」 「好きな漫画カルタ」など、お子さんが大好きなものをテーマにしましょう。
  • 読み札と取り札を作る「読み札(五・七・五)」「取り札(七・七)」を親子で一緒に考えます。例えば、「読み札:ボール追いかけ」 「取り札:ゴールめがけてシュートする!」といった形です。
  • 手書きでイラストを描く:親子で絵を描きながら、言葉とイメージを結びつけることで、さらに記憶に残りやすくなります。

この活動は、言葉を「書く」 「読む」 「考える」という力を総合的に育みます。また、好きなテーマでカルタを作ること自体が、子どもの自己肯定感創造性を育む素晴らしい機会となります。


まとめ:カルタは、言葉と心が繋がる学びの場

カルタや百人一首は、一見するとただの遊びに過ぎないかもしれません。

しかし、そこには言葉のリズム感、文化への理解、そして遊びの中から生まれる思考力や社会性を育む、たくさんのヒントが隠されています。

そして何よりも、子どもが「楽しい!」と心から思えることが、学びの第一歩です。

ぜひ、ご家庭で、お子さんの好きなテーマでカルタを作ったり、百人一首に挑戦したりしてみてください。言葉の力を楽しみながら育む、かけがえのない時間となるはずです。

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